ヴァイブレーションの癒しのちから

そのおおもとでは音楽はサウンドであり、サウンドはヴァイブレーションでできています。

トロント大学の音楽科教授、Lee Bartel博士が率いる研究グループは、身体に吸収されるサウンドヴァイブレーションがパーキンソン病、線維筋痛症、うつ病の症状の緩和に役立つかどうかを研究しています。ヴァイブロアコースティック・セラピーとして知られる低周波サウンドを使った干渉(低いゴロゴロ音と同様)がヴァイブレーションとなり、身体に直接働きかけるよう適用されます。
ヴァイブロアコースティック・セラピーの間、患者様はマットかベッドに横になるか、座ったまま、特定のコンピューターが発生する周波数のヴァイブレーションを伝えるスピーカーから音楽を聞いたり、感じたりします。
Bartel博士によれば、それは*サブウーファーに座っているようなものだそうです。
*サブウーファー(英語: Subwoofer)は、普通のスピーカーでは充分に再生できない超低音域(概ね20Hz~100Hz)を専門に受け持つスピーカーシステム

2009年、オンタリオ州ウォータールーにあるWilfrid Laurier大学のSun Life Financial Movement Disorders Research and Rehabilitation CentreのLauren K. King氏が率いる研究グループによると、パーキンソン病の患者に行った短期間のヴァイブロアコースティック・セラピーの結果、身体のこわばりが緩和され、歩幅が大きくなり、痙攣が減ったため歩く速度が早くなるという症状の改善が見られました。(2009年12月NeuroRehabilitation誌)それによると、科学者たちはパーキンソン病患者40人に1分間30ヘルツの低周波を施し、1分間休憩しました。そして、そのセットの順番を変え、合計10分間行いました。この研究者たちはパーキンソン病患者対象にヴァイブロアコースティック・セラピーを長期間行う実験を計画していますが、それは、トロント大学のMusic and Health Research 共同実験室とのあたらしいパートナーシップの一部でもあります。この大学には世界中から音楽が健康に与える効果について研究する科学者が一同に介しています。この研究グループはまた、thalmocortical dysrhythmiaと呼ばれる視床と皮質外層を含むリズムを刻む脳の活動の方向感覚の喪失についても調べています。thalmocortical dysrhythmiaは、パーキンソン病、線維筋痛症、そして、おそらくアルツハイマー病をも含む医学的状態において一定の役割を果たしているようだとこの共同実験室をリードするBartel氏は語っています。
「音楽のリズムを刻むパルスは方向感覚の喪失に働きかけ、安定化するので、低周波のサウンドはこれらの病状に助けになると考えています。」とBartel氏。

彼はまた、軽度のアルツハイマー病の患者にヴァイブロアコースティック・セラピーを使った研究を主導しています。このセラピーを使って脳の各部位間での正常なコミュニケーションを回復すれば、より多くの記憶が取り戻せるのではないかと期待しています。」「私たちはこの病いを持つと診断されたばかりの患者のケーススタディにおいて、かすかな望みをすでに感じています。週に3回続けて4週間30分間、40ヘルツの低周波を施した結果、この患者さんはお孫さんの名前をより簡単に思い出せるようになり、彼女のご主人も病状が改善したと報告しています。」

これら研究のすべてのゴールは、特定の神経機能に働き、これらの神経性状況の多くから引き起こされる不足に対処する「服用できる」「処方できる」ミュージック・セラピーと医療としての音楽プロトコル(実施要綱)を開発することにあります。音楽を単に文化的現象として見るだけではなく、芸術はまた、認識及び記憶の領域をそなえた振動の刺激だととらえるべきだとBartel氏は語っています。「このように捉えて初めて、私たちはこのインターフェイスによって、脳と身体がどのように連動しているかを知るようになるでしょう。」
“Music as medicine” by Amy Novotney, American Psychological Association
アメリカ心理学協会、Amy Novotney氏「薬としての音楽」から抜粋
http://www.apa.org/monitor/2013/11/music.aspx

ところで、MARTHの創る音楽のヴァイブレーションは?と調べてみたら、今、癒しの音楽の世界では話題のソルフェジオ周波数では「壊れたDNAを修復する」という528Hzで振動しているそうです。「ソルフェジオ周波数」は、グレゴリアン聖歌などにも使われていた古代の音階のことです。その音は、特定の周波数を発し、物質と意識に働きかける効果があるとか‥。欧米でもヒーリングに利用されています。はからずしてソルフェジオ周波数を発しているMARTH MUSIC‥。そのどこかしら懐かしいサウンドは、古代から受け継がれた傷をも癒しているのかもしれませんね‥。

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MARTH アコースティック 13CD
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音楽のちから:本当に心(臓)を開くもの

白衣と聴診器がなければ、バルティモアにある
メリーランドメディカルセンター大学のホールをうろつくマイク・ミラー博士を、
きっとあなたは中年のロックミュージシャンだと思っただろう。

ミラーは、リサーチ心臓専門医として、
ここ何年も幸福、または人を幸せにするものが心臓に与える影響を研究してきた。
まず最初の研究題材として笑いを取り上げ、
おかしい映画を見て笑うことで実際に血管が開き、
血液がより自在に流れることをみつけた。
ミラー氏は「笑いに可能なら、音楽ではどうだろうか?」と思い至り、
心臓血管に与える音楽の影響を調べた。
「わかったのは、音楽はおそらく最もストレスを乗り除くものだということです。
演奏することでも、また音楽を聞くだけでも…。」

方法としては笑いの研究と基本的に同じかたちをとった。
ハイテクのイメージングを使ってミラーは、
人が音楽を聞いているときの血管のサイズを測った。
その結果はミラーには明らかだった。
「血管の内側のラインはゆるみ、開き、心臓を守る化学物質を生産しました。」

しかし、被験者が特に楽しいと感じない音楽を聞かされたときはというと…?
「血管は実際のところ閉じ始めました。」とミラーは語った。

それはまさに緊張、またはストレスのしわざだ。
長期にわたるストレスは心臓血管系に大混乱をもたらすことがあり、
やがて、血管が硬く、こわばり、血液の流れを細くしてしまう。
歳をとるにつれ、 動脈硬化という問題が起こり、収縮した血管によって血圧が上がり、
心臓発作やストロークの危険性が増す。
ストレスはまた、免疫系を抑圧し、不妊や 性的不能の原因となり、
老化プロセスを早め、ときには脳に障害を起こすため、
人はより不安や抑圧に耐えられなくなる。
だが、音楽はストレスの影響に立ち向かうことができる。
「音楽はいいこと、健康、ある種の陶酔の感覚を与えてくれます。」
とミラー氏は語る。

スタンフォード大学の最近の研究では、うつ病と診断された高齢の患者たちは、
ミュージックセラピストが訪問すると、自己尊厳を取り戻し、気分の向上が見受けられた。
実際、国内の多くの病院が患者を癒やすために、ミュージックセラピーを導入している。
ミネソタ州、ロチェスターのメイヨークリニックでは、
「リラクゼーションを促し、緊張、ストレス、不安を軽減するために」
心臓血管治療の一部に音楽を採用している。
「音楽は患者さんがリラックスするのをサポートするので、
特に回復期において、痛みが減り、気分も上がり、よりよく眠れるようになります。」
と言うミラー氏は、同様の結果を音楽療法を受ける患者たちにみつけてきたばかりではなく、音楽のリラックス効果が実際、若返りにもいいと信じている。
「音楽が老化プロセス のスピードを落とすと信じたいですね。」

でも、音楽を聞くときは気をつけて。ビヨンセかB52だろうが、
はたまた、ショパンか、ジョニー・キャッシュが好きだろうが、
同じ曲を何回も繰り返して聞くと、音楽の体への影響は減るとミラー氏。
「同じ曲を何回も何回も聞けば、気分は高まりません。時々音楽を変えてみてください。
フレッシュなきもちで音楽を聞けば、喜びが戻ってきて、体もオープンになります。」

というわけで、今度、あなたがボスにいらいらしたり、子供に頭に来たり、
車が壊れたりしたときは、髪の毛を引っこ抜かないで。代わりに、ラジオをつけるか、
iPodを取り出すか、CDをかけて、音楽にわれを忘れてみてはいかが…。

引用元 CNN

音楽の10の効能

アメリカの有名なクリニック「メイヨー・クリニック」を始め、
その他世界のクリニックやセンターなどが行った音楽の効能についての報告より 
from The Huffington Post posted 04/11/2012

音楽の10の効能
1.ストレスを軽減する
スウェーデンのゴッセンベルグ大学のマリー・ヘルシングさんの博士論文による
と、音楽を毎日聞くことはストレスを軽減するということです。
また、好きな音楽を聞くことでこころがポジティブになったと報告しています。

2.手術のサポートをする
アメリカのクリーブランド・クリニックで行った実験によると、脳外科手術の際
中に医師と患者(パーキンソン病)がきれいなメロディーを聴いた場合 と、
単なるリズムやまた、その2つの組み合わせを聴いた場合、きれいなメロディー
を聴いたときに一番安らぎを感じたということです。
それは患者の脳波にも現れていたそうです。中には眠ってしまう方もおられたと
か…。

3.耳の聞き取りのちからを維持する
「サイコロジー&エイジング」誌の2011年の研究発表によると、人生をかけて
ずっと音楽に関わる人は、よりよいサウンドプロセシング
を持ち続けているとのことです。163人(そのうち74人はずっと音楽にたず
さわってきた)の被験者は、また、聴力テストの点数と
実際に音楽を演奏してきた時間との間に関連性が見られたそうです。

4.心臓の健康に貢献する
メリーランドメディカルセンターの報告によれば、喜びに満ちた音楽を聞くと
血管に流れる血液の量が増えたということです。特筆すべきは、ハッピーな音楽
を聞くと、血管の直径が26%も大きくなり、
逆に不安を煽るような音楽を聞くと、血管の直径が6%も小さくなったそうです。

5.痛みを和らげる
ユタ大学ペインリサーチセンターの研究によると、音楽を聞くことで不安に傾き
がちな患者が痛みを感じることから気がそれ、結果的に痛みがいつもよ り少な
く感じていたということです。
この研究には143人の被験者が参加し、指の先に危険性のない電極をつなげ、
電気ショックを与えて行いましたが、音楽を聞くことでショックが薄 まったと
いうことです。

6.記憶力をサポートする
チャイニーズ・ユニバーシティ・オブ・ホンコンのアグネス・S・チャン博士の
研究報告によると、子供のころに音楽のレッスンを受けた人は、それが 脳のは
たらきにとても貢献していたということです。「幼少時に音楽のレッスンをたく
さん受ければ受けるほど、言葉の記憶力もよくなります。それは 年齢や、教育
レベル、または家庭の社会経済的な背景の問題ではないことが、よくわかりま
す。」とチャン博士は述べています。

7.脳の老化を予防
「ニューロサイコロジー」誌で発表された2011年のカンザス・メディカル・セン
ターの研究報告によると、音楽のトレーニングを受けたことで老年 期の頭脳の
明晰さを維持する可能性があるとのことです。様々な音楽的素養を背景とした60
才から83才までの70人の被験者に行った実験では、最 もたくさん音楽のトレー
ニングを受けた人々が、最もすぐれた頭脳の明晰さを示し、脳の機能テストで最
高得点を獲得しました。

8.移植した心臓の拒絶を予防(ネズミによる実験)

これはまだネズミの実験の段階ですが、驚くべき報告です。日本で行われたこの
実験によると、心臓移植後、ある種の音楽を聞いたネズミは「寿命が伸 びた」
そうです。
これらのネズミたちは、モーツァルト、ヴェルディ(オペラ曲)、ニューエイ
ジ・ミュージック、全く音楽を聞かせない、または可聴周波数を聞かせる グ
ループに分けられ、移植後モーツァルトとヴェルディを聞いたネズミたちが、他
のグループのネズミたちに比べ、最も長生きしたということです。

9.発作後の回復を助ける
2008年の「ブレーン」誌に発表されたフィンランドでの研究報告によると、何ら
かの発作後すぐに音楽を聞いた場合、それが回復をサポートしたと のことで
す。オーディオブックを聞いたり、何も全く聞かなかった患者さん達に比べ、音
楽を聞いた患者さん達は言葉の記憶が戻りやすくなり、注意力 も増えたそうです。

10。マッサージするのと同じぐらい不安を和らげる
マッサージは超リラックスするのはもちろんですが、「デプレッション&アンザ
イアティ(憂鬱と不安)」誌の研究によると、音楽も同様に、少なくと も不安
に対して有効に働くということです。
グループ・ヘルス・リサーチ・インスティテュートの研究によると、合計10時間
のマッサージセッションを受けた被験者は、ただ音楽を聞いただけの 被験者に
比べて、3ヶ月後に不安が同じ程度軽減しました。この実験は68人の被験者
を、音楽を聞かせて10時間マッサージするグループ、マッサー ジなしで音楽
を聞きながら横になるだけのグループ、マッサージなしで音楽を聞きながら温か
いベッドパッドとタオルでくるまれたグループに分けて行 われました。

心に残る音楽  認知症の村の暮らし

オランダの認知症の村

オランダの認知症の村

オランダの人里はなれた村、Hogeweyにはたった152人しか住民がいません。
村を歩き回ったり、お店で買い物をしたり、レストランで
お食事をしたり…一見、みんな普通の生活を送っているように見えますが、実は
この場所は老人ホームであり、ここに住む人たちは全員認知症の患者さんです。
そして、この「認知症村」は、住民が正常な生活をしているという想定のもと
成り立っているのです。だから、住民は、自分たちが常にモニター(監視)
されていることも、実は住む家が精神病院だということも知りません。
村の中には病棟も、長い廊下も、玄関もありません。
代わりに、一軒の家に6~7人の患者と1人~2人のケアテイカーが住んでいます。
ガーデンには緑の樹々や、美しい花が植えられ、住む家も住民の好みや認知症で
記憶が消える直前のスタイルのしつらえで美しく整えられています。
村の郵便局やお店のスタッフもすべて
認知症の患者さんを専門に扱う訓練を受けたケアテイカー。
ありのままでいていい…と、認知症のままで普通に暮らすことが許された空間なのです。

そんな一風変わった施設を批判して、老人をだましていると言う人達もいるそうです。
しかし、この村の創設者の1人、イボンヌさんはこう返します。
「ここは本物の社会です。私は、みんなが騙されていると感じてるとは思いません。
もし私たちが彼らに本当じゃない作り話をするなら、
それは彼らにわかってしまうし、騙されたと思うでしょう。
でも、私たちは作り話などしていません。」
何よりもイボンヌさん自身が、ご自分のお父さまが心臓発作で亡くなったことを
知らされたとき、最初に思ったことが「父が施設に入るようなことがなくて、
よかった!」という反応に自ら驚いたからだと言います。そのことをきっかけ
に、過去の記憶のないお年寄りができるだけ正常に暮らせるような 理想的な施
設について同僚たちとディスカッションを重ね、生まれたのがこの認知症の村なのです。

そして、この世界に一つだけの認知症の村には、音楽がいっぱいです。
言葉は忘れてしまっていても、音楽は患者さんたちの記憶に残っているからです。
認知症のご主人を訪ねて、ほとんど毎日ここに通って来られるある女性は、
ピアノを弾いてご主人と歌を歌うことを楽しみにしています。
音楽は言葉や記憶を失ったご主人とコミュニケーションする大切な架け橋だからです。

Hogewey-village こんな素敵な所で暮らしているようです

統計が取られたわけではありませんが、この施設の利用者は他と比べて、
薬の摂取量が少なく、よく食べ、寿命も長いということです。

参照サイト