最近、イギリスのガン患者様のためのサポートセンターのお話を聞きました。
マギーズ・キャンサー・ケアリング・センター(以下、マギーズ・センター)
は、再発乳がん患者であったマギー・ケズウィック・ジェンクス氏の遺志を
引き継いだ人々によって1996年にエンジンバラに設立された施設です。
現在は同じ方式のセンターが全英9カ所、香港1カ所で展開し、
また、日本をはじめ、その他の国々に同様の施設の設置が検討されています。
マギーさんは生前「病人ではなく1人の人間に戻れる、そして死の恐怖の中に
あっても生きる喜びを感じられる小さな家庭的な安息所がほしい」と
望んでおられたそうです。そして、病院では提供できない部分を補完することが、
センター設立の目標でした。造園家で中国庭園の研究家だったマギーさんは
「建築と環境が人間 の心に深い影響を与える」ととらえていました。
そんな彼女の想いに添って、精神面を刺激し、回復させるような建物を造ることも
目的の一つでした。 そして、そんな彼女の遺志を支えるように、
日本の著名な建築家、故・黒川記章氏を始め、世界各国の建築家がボランティアで参加し、協力しています。
花と緑の豊かなガーデンを備えたマギーズセンターの建物はモダンながらも、どこか暖かく、
また、インテリアも家庭的なぬくもりを感じさせるしつらえになっています。
そんなリラックスした環境の中で、がん患者さんはいつでも心理サポートをはじめ、
センターが提供する様々なプログラムを受けることができるそうです。
身体だけではなく、こころ、それらも超えてホリスティックな治癒のための環境や
プログラムが整ったマギーズ・キャンサー・ケアリング・センターのような施設が
世界中にもっとできたらいいですね…。
そして、同じように人のこころに深い影響を与える癒しの音楽も、
クリニックをはじめ、世界中の癒しの現場に求められています。
参考:がんナビ http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report
/201003/100458.html